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  • koccn2014

column(No.10)患者の能力を奪わず、回復を促進するケアを患者に届けていますか?

 みなさんは重症患者の全身管理を行う上で、必要なチューブ類を抜去されないように患者に身体拘束を行った経験ってありませんか?


 身体拘束は、患者自身が状況を理解できないときに治療や命を守るために行うものであり、集中治療室では行わざるを得ない場面があります。


 その一方で、身体拘束はせん妄発症の大きなリスク因子でもあるため、患者のためを思って実施している身体拘束が、患者に苦痛やストレスを与え、せん妄がより悪化するといった落とし穴にはまってしまうことも大いにあります。


 このような状況下で、見失ってはいけないのは、「患者の能力を奪わず、回復を促進するケアを患者に届けることができているか」ということではないでしょうか?


 知覚・感覚・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法にユマニチュードがあります。ユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」技術で、脳の偏桃体が心地よいと感じるケアを届けることで患者の回復を支援します。ユマニチュードと聞くと、「認知症患者を対象にしたものでしょ?」と思われがちですが、ケアを必要とするすべての人を対象としており、せん妄による見当識障害が生じている患者にも役立つ技法と言えます。


 重症患者に対しユマニチュードの技法を用いることで、身体拘束が軽減したという報告もなされています。私たち看護師が、病気と必死に戦っている患者にとって、身近にいてホッと安心できる存在なのかどうかが、患者の回復に大きく影響を及ぼしているのかもしれません。


 ユマニチュードについてもう少し知りたいと思われた方は、ユマニチュード学会ホームページを一度覗いてみて下さい。







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