Column(No.1) 〇拡張期血圧にも注目!!
「血圧が90に下がりました!」という報告を耳にしますよね。
この「90」っていう数字は、収縮期血圧のことを意味しています。
やっぱり収縮期が大事なのか?となりそうですが拡張期血圧にも注目してみましょう!
・収縮期血圧:心臓が収縮して血液を押し出す時に動脈の血管壁にかかる圧力
・拡張期血圧:心臓が拡張しているときの動脈の血管壁にかかる圧力
・脈圧 :収縮期血圧 - 拡張期血圧
なぜ拡張期にも注目してほしいかというと、ウインドケッセル効果というものがあります。
大動脈は弾性繊維が豊富なため、心収縮期では動脈壁が伸展し、一回拍出量の50~60%程度は大動脈に蓄えられるのです。
心拡張期には伸展した動脈壁がその弾性により元に戻ることで,蓄えた血液は末梢へと送られるのです。この作用をウインドケッセル効果と呼びます。それにより①過度の収縮期血圧上昇の抑制 ②拡張期血圧低下の抑制 ③冠動脈血流量が維持されています。目線を変えてみると、拡張期血圧が低いと血液を末梢に送れないし、冠血流も維持できないということです。収縮期血圧が低下した時には、拡張期にも注目しましょう。
出血や脱水などで循環血液量が減少して収縮期血圧が低いときには、代償的に拡張期血圧も上昇します。「収縮期血圧は低いけど、脈圧が小さい」という感じです。
しかし、敗血症のよる血圧低下では、逆に拡張期血圧も低下します。これは、炎症反応による血管拡張のためです。敗血症による血圧低下では、「収縮期血圧が低いけど、拡張期も下がっている」というようなことにもなるのです。
拡張期血圧と収縮期血圧を併せてみることで、アセスメントにもつながってきます。ぜひ参考にしてみてください!
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