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  • koccn2014

column(No.13 )columnqSOFAって使えないの??

更新日:2021年12月1日

SSCG2021(Surviving sepsis campaign: international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021)が発表されて少し騒然となったのが、qick SOFA(qSOFA:表1) !たちまちSNSなどでもqSOFAって、使えないの??という話題がありましたね。


そもそもqSOFAは、Sepsis-3で敗血症スクリーニングツールとして広まりました。

日本版敗血症診療ガイドライン20201)の中では、「病院前救護、救急外来、一般病棟では、感染症あるいは感染症が疑われる場合には、敗血症のスクリーニングとしてquickSOFAを評価する」とあります。


qSOFAは、①意識、②呼吸数、③収縮期血圧の3項目で構成され、2項目以上が満たされる場合には敗血症を疑い、早期治療開始

や集中治療医への紹介のきっかけとするとも記載されています。そう、qSOFAは簡便であることが売りだと思っています!






しかし、qSOFAが広まって様々な調査が行われると、qSOFAの予後予測を調査したもの2)では、感度はICU患者で87.2%、ICU以外では51.2%であり、特異度は、ICU患者で33.3%、ICU以外で79.6%であることがわかっています。


また、qSOFA と早期警戒スコア(NEWS:National Early Warning Score:表2) 、修正早期警戒スコア(MEWS:Modified early warning score)など、スコアで精度を比較したもの3)では、NEWS≧8 (AUC:0.77, 95%CI: 0.76–0.79)、 MEWS ≧5 (AUC: 0.73, 95% CI:0.71–0.74)、qSOFA ≧2 (AUC:0.69,95%CI: 0.67–0.70)と、NEWSスコアよりMEWSスコア、MEWSスコアよりqSOFAが低いことがわかります。


今回のSSCG2021でも、qSOFAを単一で使用することを推奨していないのもこのようなことから来ていると思います。


NEWSスコアは、患者急変予知としてRRSコールの基準などでも使われているところが多いのではないでしょうか?項目をみるとqSOFAよりも項目数も多いので、qSOFAと比べれば納得です。


しかーし、忙しいなかベッドサイドでとても簡便なqSOFAは、便利じゃないですか?これらのことを理解して、アセスメントの材料の1つとして使うことは有効じゃないかと思っています。皆様はいかがですか?


※感度と特異度について

 疾患の有無を調べる検査をした場合。

 ・感度:疾患がある患者に検査を実施して、検査が陽性である割合%

 ・特異度:疾患がない人に検査を実施して、検査で陰性である割合%


引用文献

1) 日本集中治療医学会・日本救急医学会合同日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会:日本版敗血症診療ガイドライン2020.

https://www.jsicm.org/pdf/jjsicm28Suppl 2021年10月24日閲覧

2) Shannon M F, Alexandre T, Monica T,et al: Prognostic Accuracy of the Quick Sequential Organ Failure Assessment for Mortality in Patients With Suspected Infection: A Systematic Review and Meta-analysis.Ann Intern Med. 2018;168(4):266-275.

3) Churpek M M, Snyder A, Han X, Sokol S, et al: Quick Sepsis-related Organ Failure Assessment, Systemic Inflammatory Response Syndrome, and Early Warning Scores for Detecting Clinical Deterioration in Infected Patients outside the Intensive Care Unit. Am J Respir Crit Care Med 2017; 195:906-11

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